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329    COLUMN    UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND
 

Sugar Minott
 
Greetings friends,
●私の妻がフェスティバル・シーズン直前に病気で入院してしまったために、今夏開催される多数の巨大フェスに足を運ぶことができなくなってしまった。彼女の1日でも早い回復を願って欲しい。
●僕は腕のいい"スパイ"を様々なフェスに潜入させているので、来月にはいくつかのフェスをリポートできると思う。個人的には、フランスで開催のローカル・フェス「Just Like Dat」になんとか行くことができるかもしれない。この小規模フェスは人気と入場者数が毎年上昇してる注目のイヴェントだ。僕の古くからの友人で今まさに脂がのりきっているLondonのDJ、Tippa Irieや多才なShineheadらが出演する予定。
●南東イングランド地方で注目すべき新たなフェスがある。歴史都市として国際的に有名な観光地のKent州Canterburyののどかなロケーションで開催される「Lounge On The Farm」だ。昨年に初開催され好評だったイヴェントで、まだ試行錯誤の段階にある。前回はオール・ジャンルのトップ・アーティスト(残念ながらレゲエはそれほどでもなかった)が出演したが、今年のメイン・アクトは「Glastonbury Festival」でのステージの記憶も新しい、Toots and The Maytalsだ。「Lounge On The Farm」が他のフェスと大きく異なる点は、幅広い年齢層の観客が楽しめ、それをフレンドリーかつローカル色豊かに実現していることだろう。小さい子供向けに遊具を備えた大きな公園エリアを設営したり、かつてヒッピーだった世代向けにはGongのようなアヴァンギャルドなプログレ・ロック・グループが出演するステージなども用意している。もちろん、野外フェスには定番のダンス・ミュージックや、コメディ・ステージなどもある。フェスの食事といえば判で押したような屋台系のファスト・フードが主流だが、このフェスでは提供されるすべてのフードが地域で生産された食品を使い、その場で調理されたものばかりなのだ。僕がこれほど詳しい情報を知っているのは、私の娘Georgia(すでに24歳になっているのだ! 僕が撮影したBunny Wailerに彼女が持ち上げられている写真を覚えている読者がいるかもしれない。あの時、娘はまだ4歳だった)がフェスのフード・プログラムに関与しているからなのだ。僕と同様、彼女は音楽が大好きで、おいしい食べ物も同じくらいに好きなのだ。
 

Toots Hibbert
 
●「Glastonbury Festival」がテレビで放映されたので、Tootsのパフォーマンスをどうにか観ることができた。多数のチャンネルがあるおかげで、ドラマの再放送や昔の映画を流す代わりに、このフェスや「Isle of Wlight Festival」といったライヴ音楽を流すチャンネルが増えてきたことに感謝したい。Tootsは最盛期の勢いこそなかったが、教会音楽の伝統であるコール・アンド・レスポンス、荒削りだが力強いハーモニー、そしてゴスペルで鍛えたノドを惜しげもなく披露していた。彼らは観客が一緒に歌えるヒット曲ばかりを演奏。リード・ギターを前面に押し出したサウンドは必ずしもレゲエ・ファン向きではなかったかもしれない。おそらく彼らはヨーロッパのフェス用にステージングを変えたのだろう。その結果、観客の反応は熱狂的だったのだから良かったと思う。Good Luck Toots!!
●このコラム執筆時点で、ホットなジャマイカ発の話題といえばChristopher 'Dudus' Cokeのアメリカへの送還だろう。彼はアメリカ当局がドラッグと銃器の違法輸入で身柄を拘束したがっていたドンだ。本人は「Kingstonのダウンタウンで多数の犠牲者を出したギャング戦争に終止符を打つために自首した」と主張しているようだ。彼はジャイマイカ労働党(JLP)にと太いパイプを持ち、Tivoli Gardens地区で権力を握っているとされている。ジャマイカの政治家はどうやら彼を消すためにギャング戦争に部隊を投入したらしい。彼がアメリカのドラッグ&銃器管轄局に捕らわれてしまったら、ジャマイカの政治家にとって致命的に不利益なJLPの裏情報がアメリカに漏れてしまうと考えたのだろう。ちなみに、Tivoli Gardens地区のドンでありJim Brownというニックネームで知られたていたCokeの父は、90年代初頭に刑務所の火事で死亡している。JLPとアメリカのCIAとは裏でつながっているという噂もある。興味深いストーリーだ。
●昨年12月よりドラッグ密輸・売買疑惑で監禁されているBuju Bantonの裁判がまた延期になったようだ。新たな日程によると彼の出廷は9月になっている。あいかわらずネット上では彼が無罪なのか有罪なのかと、活発な論議が行われている。
●Bujuの監禁による非難の声なのか、または'Dudus'の送還が原因なのか定かではないのだが、アメリカ入国管理局はジャマイカの人気ダンスホール・アーティストの入国ヴィザを無効にしようとしているらしい。対象アーティストにはElephant Man、Beenie Man、Mavadoらがあがっている。Kingstonのアメリカ大使館が発表したメモには「大使館によりヴィザを無効にされたアーティストはアメリカ行きの飛行機に搭乗することができない」とある。ジャマイカはアメリカとアメリカ・ドルを必用としているが、アメリカはジャマイカと反逆的なジャマイカ国民を必要としていないのだろうか。
●このコラム執筆中にショッキングなニュースが入ってきた。7月10日にLincoln 'Sugar' Minottが54歳で死去したというのだ。ダンスホール・ミュージックの父であり、ジャマイカのラヴァーズ・ロックを確立したアーティストの一人だった。今年はじめから心臓疾患を患っており、死因は心臓発作らしい。現時点では情報が乏しいので、次回のコラムでSugarについても書きたいと思う。今は彼の家族にお悔やみの言葉を送ることぐらいしかできない。

Till next time, take care............... (訳/大塚正昭)
 
(訳/Masaaki Otsuka)

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